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今年は、新しいコンピューターアーキテクチャ、分散コンピューティングシステム(DCS)(1970年代)が生まれて、50年の節目の年にあたります。カリフォルニア大学アーバイン校にて、デイビッド・ファーバー博士やポール・モカペトリス博士、ローレンス・ロウ博士が中心となってこのプロジェクトを先導しました。このプロジェクトは、大型で高価なコンピューターを、多数の小型ミニコンピューターに置き換え、より効率的でコストパフォーマンスの高いコンピューティングを可能にすることを目的にしています。同時に、フォールトトレランスを実現し、信頼性の高いネットワークを構築することを目標としました。これらは今日の様々な技術の礎となり、オペレーティングシステム、ネットワーキング、そしてクラウドコンピューティングの開発に貢献しています。講演の前半では、プロジェクト当初1970年に掲げた目標と、その後1978年に得られた結果について焦点をあて、プレゼンテーションが行われます。後半はロドニー・ヴァン・メーター博士の司会によるパネルディスカッションが行われ、DCSプロジェクトの影響と分散コンピューティングの今後の展望について、議論が進められます。
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本イベントは、慶應義塾大学サイバー文明研究センター(CCRC)後援によるものです。
日付:
5月21日(金)9:00 – 10:00(日本時間)
5月20日(木)20:00-21:00(米国東部夏時間)
内容:
● イントロダクション: デイビッド・ファーバー博士
● 当初の目標と成果: ポール・モカペトリス博士
● 初期のプロトタイプ: ローレンス・ロウ博士
● パネルディスカッション(DCS から得られたもの):
司会:ロドニー・ヴァン・メーター博士
講演者紹介:
デイビッド・ファーバー博士
ファーバー博士は、コンピューターネットワーキングにおける多大な貢献で知られており、カーネギーメロン大学とペンシルベニア大学にて役職を歴任してきました。博士は現在、慶應義塾大学名誉教授、およびサイバー文明研究センターの共同ディレクターを務めています。IEEE、ACM、AAASフェロー。
ポール・モカペトリス博士
モカペトリス博士はドメインネームシステム(DNS)の開発で知られており、研究と産業の双方でインターネットの発展に貢献してきました。ARPAにてネットワーキングのプログラムマネージャーを務め、ネットワーキングのスタートアップ企業でいくつかの役職を歴任してきました。1982年にカリフォルニア大学アーバイン校で情報・コンピューター科学の博士号を取得。IEEE、ACMフェロー。
ローレンス・ロウ博士
ロウ博士は、カリフォルニア大学バークレー校の電気工学とコンピューター科学の名誉教授です。バークレーマルチメディアリサーチセンター(BMRC)の創設ディレクターとして、ストリーミングメディアソフトウェアの開発に貢献されています。 1976年にカリフォルニア大学アーバイン校で情報・コンピューター科学の博士号を取得。ACMフェロー。
ロドニー・ヴァン・メーター博士
ヴァンメーター博士は慶應義塾大学環境情報学部教授です。慶應大学の量子コンピューティングセンターの副センター長であり、量子インターネット研究グループの共同センター長、および、量子インターネットタスクフォースのリーダーを務めています。AAAS、ACM、APS、IEEEメンバー。